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a)『スリータイムズ（百年恋歌）』（ホウ・シャオシェン）★★★★
一般公開まで待てず、香港盤DVDを購入。三つの中編からなる作品で、「1966年」編は『風櫃の少年』、「1911年」編は『フラワーズ・オブ・シャンハイ』、「2005年」編は『ミレニアム・マンボ』といった作品の系列に属する。それぞれの時代の恋愛をスー・チーとチャン・チェンのカップルが演じ分けていて、手紙や紙幣といった主題が三つの物語に通底している。ただただ美しく、ショットの強度に心打たれ、どうしたらこんな映画が撮れるのかしらと絶句するばかり。この十年のホウ・シャオシェンの歩みは本当に驚異だ。彼のフィルモグラフィーにおける三つの系列のエッセンスが凝縮されているので、もし彼の作品を見たことがない人がいたら入門編としても最適。必見。