デプレシャン雑感

a)『ハラ』(ウスマン・センベーヌ)★★
『汚名』(ヒッチコック)を参照項にしながら『キングス&クイーン』について書こうと思って、ひょっとしてデプレシャン本人がそのことについて何か言及していないか、念のためSくんに尋ねたら、『ポジティフ』のインタビューですでに本人が語っているとの答えが。で早速、Sくんにその記事を送ってもらって読んだところ、自分が書こうと思っていたネタについては触れていなかったのだが、どうせ作者の手のうちで踊らされているだけのような気がしたので、アホらしくなって結局書くのやめた。デプレシャンみたいに自分の作品についてのあらゆる批評をあらかじめ想定しているような映画作家はホント語りづらい。というか、どこか自らを閉ざしているように思えなくもない(だからあんまり好きじゃないのだが)。『ポジティフ』のインタビューもデプレシャンがあまりに聡明すぎるために質問者がアホにみえてかわいそう。以前『“男たちと共に”演技するレオ』について書いたけど(id:hj3s-kzu:20050107)、これなんかも彼の罠にまんまとはまっている気がする。アホらし。とはいえ『キングス&クイーン』を見なくていいかというと全くそんなことはなく、今年公開される映画のうち十指に食い込んでくる作品であることは間違いないのでやはり必見と言っておく。
キングス&クイーン http://www.kingsqueen.com/