a)『女だけの都』(ジャック・フェデー)△
b)『モロッコへの道』(デヴィッド・バトラー)○
c)『恐怖女子高校 暴行リンチ教室』(鈴木則文)◎
昔、NHK教育で「世界名画劇場」という番組が月イチでやっていて、今みたいにビデオとかDVDで簡単にいろんな映画が見られる時代じゃなかったので、中学生だった私は真面目に毎月その番組でいわゆる「名画」をお勉強したもので、戦前のヨーロッパ映画なんかがよく放送されていた(この前、NFCでやっていた「生誕100年 川喜多かしこヨーロッパ映画の黄金時代」とラインナップがかなり被っているはず)。ただ今、この手のものを見直してみると、どうしてこんな映画が「名画」とみなされていたのか不可解で、『女だけの都』もその一つ。はっきり言ってハリー・ストラドリングの撮影とラザール・メールソンの美術以外見るべき点があるとは思えず、特に脚本が酷いなーと思ったらシャルル・スパークなのだった。これよりもビング・クロスビーボブ・ホープの「珍道中」シリーズの方が遥かに素晴らしい(ドロシー・ラムーア萌え)。で、さらに凄いのは『暴行リンチ教室』で、冒頭のシーンは見ているこちらが貧血になりそうになった。*1で今日続けて見た三本はジャック・フェデーよりも鈴木則文の方が映画作家としてずっと偉大だという厳然たる事実をはからずも証明してしまったのだった。

*1:以前『箱の中の女』(小沼勝)でも同じような経験あり。あと『ラストエンペラー』(ベルトルッチ)の冒頭の自殺未遂シーンとかも苦手。などと書いているうちに気分が悪くなってきたので、この辺で止めておく。