ヴェーラで上映される作品を効率的に見るためのTips

すでにお気づきの方もいるとは思うが、ヴェーラで上映される作品を効率的に見るためのTips(時間的、金銭的に)を。各回入れ替えになる特別な場合を除いて、ここでの特集上映は大抵の場合、土曜がプログラム替わりの初日で翌週の金曜まで六本の作品を毎日組み合わせを変えて、二本ずつ上映するわけだが、この六本を最小限の出費で全部見るには(つまりラスト一本だけ800円払って見るのはなしで)、次の三つの曜日の組み合わせのいずれかで二本立てを見に行けばよい。
1)土曜、日曜、月曜
2)月曜、木曜、金曜
3)火曜、水曜、木曜
私がこれに気づいたのは実は最近のことで、そのために今までだいぶ無駄をした。だから例えば、土曜に見に行ってしまうと続けて日曜、月曜に行かないと、ラスト一本だけ見るために何度か通うはめになる。見てわかる通り、月曜と木曜に関しては二通りの組み合わせがあるが、週末に行かずに週明けの月曜に行くと、次に見に行く曜日は自動的に木曜と金曜になる。木曜に見てコンプリートするにはすでに月曜か火曜に見ておく必要があるし、前者の場合はあとは金曜に行けばいいし、後者の場合には水曜にもすでに見ておく必要がある。まあヴェーラの特集をコンプリートする暇と意志のある人もあんまりいないと思うが、よかったらお役に立ててちょ。

a)『一寸法師』(内川清一郎)◎
b)『執念の蛇』(三隅研次)○
今日の拾い物は『一寸法師』。見られてよかった。この特集「妄執、異形の人々IV」の大半をしめるボンクラ映画とは一線を画す格調高い演出ぶりで、その題材の際物性(乱歩原作の小人による猟奇殺人)にも関わらず、どのショットも実に丁寧に撮られていて、冒頭の夜の場末の歓楽街のシーンの照明、美術の素晴らしさから傑作の予感がしたが、最後までそれは裏切られることはなかった(脚本上での突っ込みどころがなかったわけではないが)。『西鶴一代女』で溝口の助監につき、その暴君というか我が儘っぷりにマジ切れした侠気によって映画史に名を留める内川清一郎だが、この作品を見ると演出家としてもなかなかであったことがわかる。宇津井健と三浦光子の出会いのシーンにさりげなく画面の奥にマネキンを配する模範的な古典性は一見に値する。DVD化もされているので、よかったらどうぞ。
『執念の蛇』は三隅にしては凡作。蛇の登場の仕方が物語的に上手く動機づけられていないような印象を受ける。