映画美学校映画祭への誘い、あるいは映画を疑うこと

さて映画美学校映画祭の季節になってまいりました。今回は2004年9月4 日(土)・5日(日)・11日(土)・12日(日)の四日間に渡って開催されます。今年で三回目になるこの映画祭ですが、映画美学校に関心のある一部の人にしかその存在を知られていないと思いますので、一応紹介させていただきます。この映画祭は映画美学校の「修了生」ならば誰でも参加資格があり、しかも「無審査」で応募作品全てを上映してしまうというおそらく日本で最も過激な映画祭だと思います。講師陣に現在第一線で活躍されている映画作家を多数擁する映画美学校ですが、だからといってその教え子たちの作品の質を保証するものでは全くありません。何はともあれ映画はまず「見る」ことが全てです。情報誌やらマスコミの類いなどはこの点全くあてにできません(もちろんこのサイトも)。なのでお暇な方もそうでない方もぜひ京橋*1に駆けつけていただきたいと思います。そこであなたは高橋洋氏が言うところの「映画本来の原初的な渾沌」を必ず見い出されることでしょう。「こんなもの映画じゃない!」と叫びたくなる瞬間もあるでしょう。その時、ぜひ自分に問いかけてもらいたいのです。「では、映画とは何か?」この催しは必ずやこの本質的な問いを再考してみるきっかけとなるはずです。そしてあなたが漠然と「映画」なるものに抱いていた曖昧な観念ががらがらと崩壊していくのを体感するはずです。前回、前々回とこの「暗黒大陸」のほとんど全ての作品を私は暗闇の中でじっと耐えて見ました(私の知る限りこれを行った人間は私と高橋洋氏だけです)。その作品群は玉石混交というよりは石ばかりだったような気もしないではないのですが、この体験が自分にとって貴重なものであったことは確信をもって言えます。そして宝石に出会った時の喜びといったら!この感激はこの「試練」を潜り抜けたものでないと分からないと思います。ぜひ全日参加して自分の目で確かめ、「映画」を疑って下さい。

ちなみに関係者に大きな波紋を投げかけた去年のほぼ全作品についての私の星取り表が以下のサイトで読めます。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/movie/3113/1060167837/l100

映画美学校映画祭2004
http://www.eigabigakkou.com/festival/index.html

*1:今年はアテネフランセではなく、映画美学校に会場が移ったので注意!