映画ってホントにいいっすね

hj3s-kzu2004-11-20

a)『細道』(ジョアン・セーザル・モンテイロ
b)『カナリア』(塩田明彦
今日のモンテイロ上映会のために、昨日夜遅く映写テストに映画美学校までいった後、映写技師のCHIN-GO氏に新宿まで連れていかれ、小中千昭高橋洋のトークショーを徹夜で聴いた。基本的にホラーに免疫がない私はそこで見た心霊ビデオやら聞かされた怪談話に都合十回ほど背筋の凍る思いをしたのだった。しかし徹夜の後、さらに内田吐夢でもトークをし、その足で『ソドムの市』の舞台挨拶のために名古屋まで行った高橋氏は何とタフな人なのだろう。私はそこまで体力がないので、昼過ぎに起き(そのため朝イチの内田吐夢を見逃してしまった。まあ十年ほど前にフィルムセンターの内田吐夢特集で見たし、録画DVDも持ってるんだけどさ)、上映会の資料などをワープロで作成してから、二時過ぎに会場に行ったのだが、まだぜんぜん人が来ていなくて、拙作の上映会の時ですらもう少し人の集まりが良かったよなあ、やはり、お隣の内田吐夢、御茶ノ水のワイズマン、飯田橋のジャン=クロード・ルソーといった強豪相手ではちと歩が悪かったか、おまけに上のフロアでは万田邦敏氏の名講義までやっている(なので映画美学校生の集客は見込めない)、とか思いつつ空っ腹にパンなど齧ってボーッとしていると二時半を過ぎた辺りからちらほら人が集まりだして、おかげさまで黒字とまではいかないまでもトントンのところまではいったのだった。半年前に見たきりだったので結構内容を忘れていたのだが、初めて見る人には辛かっただろう最初の三十分目を過ぎたあたりから、主催者が言うのも何なのだが、もう瞳孔開きっぱなしの凄さで、最後まで立場を忘れて堪能してしまった。一番後ろの席に座っていたので、こっくりこっくりしている人の姿がいやでも視界に入ってしまい、せっかく来てくれたのに申し訳ないなあと思いましたが、でも寝ちゃった人も次のも凄いから懲りずに来て下さいね、とのみ言っておこう。今回、用事で来れなかった人も次はお待ちしてます。損はさせませんです、ハイ。CHIN-GO君、今日は本当にありがとう。しかし実は映画美学校生にこそもっと見てもらいたかったのだった。
その後、秋葉原でDVD-Rを買いだめしてから『カナリア』を見に行った。ここ数作の低迷(?)をファンとしては焼きもきしながら見ていたのだが、今回のは素晴らしい!今年のベストテン候補と言っておこう。コンビニのシーンで『蠅男の恐怖』みたいなことやっているのはちょっと面白かった。『アカルイミライ』(黒沢清)に対する塩田氏の返答のようにも感じられたのだが、本当のところはどうなんでしょうか。というわけでひさびさに映画的には大充実の土曜日であった。なみおか映画祭のルビッチを見れなかったのは残念だったけどね。