あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
早速、恒例の(?)ベストテン選びに取りかかることにする。『アコード・ファイナル』(サーク)は、いままで映画を見続けてきてよかったと心から思える作品だった。ここまで幸福にさせてくれた映画は近年あまりない。この幸福感を基準に2005年に見た映画のなかから選ぶと以下のようなベストテン(実は12本)となる(製作年代順)。
『鄙より都会へ』(ジョン・フォード,1917)id:hj3s-kzu:20050111
『ハラキリ』(フリッツ・ラング,1919)id:hj3s-kzu:20050913
『燃ゆる大地』(フリードリヒ・ヴィルヘルム・ムルナウ,1922)
『アコード・ファイナル』(ダグラス・サーク/イグナツィ・ローゼンクランツ,1938)
『上海の月』(成瀬巳喜男,1941)id:hj3s-kzu:20050930
『私刑』(中川信夫,1949)
『新・夫婦善哉』(豊田四郎,1963)
『ラ・サラマンドル』(アラン・タネール,1971)
『少しずつ』(ジャン・ルーシュ,1971)
『トルチュ島に漂流した人たち』(ジャック・ロジエ,1974)
『カップルの解剖学』(リュック・ムレ/アントニエッタ・ピゾルノ,1975)
『海の花』(ジョアン・セーザル・モンテイロ,1986)id:hj3s-kzu:20050212
なお、なるべくDVD(輸入版含む)で見たものを少なくとの配慮から(そうしないと収拾がつかないので)惜しくも選からはもれたが、ベストに入っていてもおかしくないものとしては、『疑惑の渦巻』(オットー・プレミンジャー)、『豹男』(ジャック・ターナー)、『危険な場所で』(ニコラス・レイ)、『アレクサンダー大王』(ロバート・ロッセン)、『青いガーディニア』(フリッツ・ラング)、『銃撃』(モンテ・ヘルマン)がある。
ではこれらの強度に匹敵するような現代映画がなかったかというと決してそんなことはない。以下、現代映画ベストテン。先達に敬意を表して生年順。老人力、恐るべし。
『三重スパイ』(エリック・ロメール)
『オペレッタ狸御殿』(鈴木清順)
『アワーミュージック』(ジャン=リュック・ゴダール)
『ミリオンダラー・ベイビー』(クリント・イーストウッド)
『ルーヴル美術館への訪問』(ストローブ=ユイレ)id:hj3s-kzu:20050122
『行ったり来たり』(ジョアン・セーザル・モンテイロ)
『宇宙戦争』(スティーヴン・スピルバーグ)id:hj3s-kzu:20050705
『蟲たちの家』(黒沢清)
『チャーリーとチョコレート工場』(ティム・バートン)
『世界』(ジャ・ジャンクー)id:hj3s-kzu:20050718
その他、気になった作品としては、『さよなら、さよならハリウッド』(ウディ・アレン)、『ランド・オブ・プレンティ』(ヴィム・ヴェンダース)、『コーヒー&シガレッツ』(ジム・ジャームッシュ)、『ライフ・アクアティック』(ウェス・アンダーソン)、『侵入者』(クレール・ドゥニ)、『“男たちと共に”演技するレオ』(アルノー・デプレシャン)id:hj3s-kzu:20050107、『描くべきか愛を交わすべきか』(アルノー&ジャン=マリー・ラリユー)、『落ちる人』(フレッド・ケレメン)、『台風太陽』(チョン・ジェウン)、『TAKESHIS'』(北野武)、『亡国のイージス』(阪本順治)id:hj3s-kzu:20050806、『INAZUMA 稲妻』(西山洋市)がある。
なお『不倫団地かなしいイロやねん』(堀禎一)を見逃したのはかえすがえす残念。
(追記 2007/6)『蟲たちの家』は『INAZUMA 稲妻』と交換可。というより現時点では、むしろ後者に代えたい。