ウルマー論の余白に

a)『恐怖のまわり道』(エドガー・G・ウルマー)◎
b)『忘れられた罪の島』(エドガー・G・ウルマー)◎
c)『地中海の虎』(エドガー・G・ウルマー)◎

DOGDAYS師匠のゼミでウルマー講義@B学校をせよとのリクエストがあったので、ここ一週間ほど正月休み返上でひたすらそれの準備をしていた。半年ほど前にもジャック・ターナーについて講義したが、その時は「flowerwild」にターナー論*1を発表する直前でその原稿を読めばよかったので割と楽だった。ところが今回はすでにウルマー論*2は発表済みなので、それをそのままやるというわけにもいかず、その点で難儀した。仕方がないのでウルマーの代表作を十本ほどピックアップし、一から画面を見るというところからやり直す。結果、前述のウルマー論では扱えなかった主題系を見出し、それらが形づくる星座を素描するというところまでは考えたのだが、講義で使うビデオ素材の編集に昨日丸一日費やし(海外盤DVDから取り込むためにいろいろと配線を変えたりして面倒くさいんだわコレが)、そこでタイムアップ。結局、今日は何かとりとめのない話をして終わったような気が。ただ抜粋したシーンはどれも素晴らしいものばかりだったので(『奇妙な女』、『奇妙な幻影』、『青ひげ』、『野望の果て』、『裸の夜明け』と傑作揃い)、ウルマーが『黒猫』や『恐怖のまわり道』だけのB級カルト映画作家ではなく、サークと同じくらい重要な一流の映画作家であると少しは納得していただき、ウルマー・ファンが増えたことを願うのみ。映画を三本見た後での講義だったので小一時間で終わらせようと思っていたのだが、結局、二時間近くに。ゼミ生の皆さんお疲れさま。終了後、新年会。
これでようやく明日から他の映画が見られる。わーい。

*1:http://www.flowerwild.net/2006/07/2006-07-03_223827.php

*2:http://www.flowerwild.net/2006/09/2006-09-26_123757.php