シモーヌ/シェフと素顔と、おいしい時間

a)『シモーヌ』(アンドリュー・ニコル
b)『シェフと素顔と、おいしい時間』(ダニエル・トンプソン)

a)エンドロールに「シモーヌ」のモデルになった女優の一覧が載っていた。以前、見た時はそれなりに楽しめたものだが、二回目はさすがに退屈だった。まあそれは時に面白かったり面白くなかったりする大抵の映画に言えることかもしれないが。とはいえ「シモーヌ」は魅力的で、ある友人は「これを見たら皆シモーヌに会いたくなるよな」と言っていた。

b)エンドロールにジャン・レノが劇中で作る料理のレシピが載っていた。しかしこうしたアメリカ映画へのコンプレックスに満ちたフランス映画ほど退屈なものはない。どういうことかというと、表向きはアメリカ映画を軽蔑しながら、実際にやっていることはアメリカ映画の出来の悪い模造品でしかないということである。こういう映画はフランスの大衆と一部の日本人以外誰が見るのだろうか。世間に流布している「フランス映画」のイメージって所詮この程度のものなのかも。この手の映画を見ると、ロメール、リヴェット、ガレル、カラックスらの試みがいかに孤独で偉大かが分かる。ただ全く見るべき点がないかというと、そうとも言えるしそうとも言えない。