a)『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(ジェームズ・マンゴールド)★★★★
b)『アメリカ,家族のいる風景』(ヴィム・ヴェンダース)★★
マンゴールドにハズレなし。しかも今作は彼の最高傑作ではなかろうか(実は『ニューヨークの恋人』も素晴らしいんだけど)。初ステージで「Hello,I'm Johnny Cash」とホアキン・フェニックスが言う瞬間なぞ彼の声の魅力にぞくぞくするし、その直前のリース・ウィザースプーンとの出会いの場面のやりとりも素晴らしいし、二人の歌声(実際に歌っている)もいいし、もう監獄ライブのシーンなんて泣きに泣いてしまったし、といいことづくめなのだが、欲を言えば、もう少し監獄ライブ(っていうかまさに「監獄ロック」)は長く見たかったのと、その後にまたすぐ山場(見てのお楽しみ)が来るので全体の構造がややいびつというかバランスが悪いような気がする。たぶんキチンと描くには三時間は必要だろう。あと釣りのモチーフが要所要所で反復されるのだけれど、それがやや活きていない。それはなぜかといえば兄弟、親子が並んで釣りをする場面が欠けているからなのだが、それをやっちゃうと小津とか言われるんだろうか。
さあいますぐ劇場へ!
http://www.walkerplus.com/tokyo/latestmovie/mo4035.html
そういえばホアキンで思い出したが、ジェームズ・グレイって今どうしているんだろうか。『裏切り者』以降撮ってないみたいなのだが。