2004-08-01から1ヶ月間の記事一覧

OL性白書 くされ縁

a)『にぎって〔OL性白書 くされ縁〕』(今岡信治) b)『耳を澄ます夏〔痴漢電車 さわってびっくり!〕』(榎本敏郎) a) 掛け値なしの傑作。身体に何ができるか、つまるところ、このスピノザ/ニーチェ的な問いかけに映画によって答えているのが今岡信治では…

映画美学校映画祭への誘い、あるいは映画を疑うこと

さて映画美学校映画祭の季節になってまいりました。今回は2004年9月4 日(土)・5日(日)・11日(土)・12日(日)の四日間に渡って開催されます。今年で三回目になるこの映画祭ですが、映画美学校に関心のある一部の人にしかその存在を知られていないと思いますの…

美しきセルジュ

日曜なのに昼から仕事。しかも雨まで降っている。憂鬱。「InterCommunication」がリニューアルしたので、豪華執筆陣の名前につられて買ったが、立ち読みで十分の内容であることが判明し衝撃を受ける。あまりに暇なのでスティーヴ・エリクソンのサイト*1にあ…

賜物

a)『団地の奥さん、同窓会に行く』(サトウトシキ) b)『お弁当〔熟女・発情 タマしゃぶり〕』(いまおかしんじ) b) 素晴らしい。濡れ場のあまりのリアリティに「もしや●番?」と思ったが、やはりそうであったことが上映後のティーチ・インで判明する*1。瀬…

花井さちこの華麗な生涯

a)『セコハン・ラヴ〔多淫OL 朝まで抜かないで〕』(女池充) b)『花井さちこの華麗な生涯』(女池充) b) 劇場公開版『発情家庭教師 先生の愛汁』よりも三十分長いディレクターズ・カット版での上映。プリントが出来上がったのが今日の午前中というできたて…

中島貞夫まつり

a)『893愚連隊』(中島貞夫) b)『狂った野獣』(中島貞夫)

9月のオススメ

特集上映9/2〜9/4 「アラブ映画祭2005」プレイベント@赤坂・国際交流基金フォーラム http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/topics/movie/jfsls2.html ☆ユーセフ・シャヒーンの『放蕩息子の帰還』『アレキサンドリアWHY?』が見られる。9/3〜10/10 映画女優 高峰…

レイクサイドマーダーケース

a)『レイクサイドマーダーケース』(青山真治) 終映後、映画作家本人をつかまえて劇場近くのファミレスにいき、映画美学校・東大の学生たちで見たばかりの作品について三時間近く質問ぜめにする。おかげで終電を逃し、一つ手前の駅から歩く羽目に…と思いき…

アデュー・フィリピーヌ!

a)『人間ピラミッド』(ジャン・ルーシュ) b)『アデュー・フィリピーヌ』(ジャック・ロジエ) b)この作品の上映前に蓮實重彦氏による講演があった。『子猫をお願い』(チョン・ジェウン)についての評でも触れられていたように、蓮實氏によれば、全ての映…

火宅

a)『火宅』(川本喜八郎) b)『蓮如とその母』(川本喜八郎) a)その強度に圧倒される。逆光を効果的に活かした見事な照明、デクパージュの的確さ、決定的なキャメラ・ポジション、効果的な多重露光、そして何よりも僧侶が幻視する「火宅」の地獄絵図。人形…

練習は有益でした

a)『ムーンフリート』(フリッツ・ラング) b)『マリアのお雪』(溝口健二) b)『映画への不実なる誘い』を読んで無性に見たくなったので、十数年ぶりに見直す。内容をすっかり忘れていたので、まっさらな心持ちで見れた。改めて、こんな傑作だったのか!と…

フォードまつり

a)『人類の戦士』(ジョン・フォード) b)『栄光何するものぞ』(ジョン・フォード)

くもとちゅうりっぷ

a)『難船ス物語 第壱篇 猿ヶ嶋』『茶釜音頭』『べんけい対ウシワカ』『フクチャンの奇襲』『くもとちゅうりっぷ』『桜(春の幻想)』『すて猫トラちゃん』『トラちゃんと花嫁』『トラちゃんのカンカン虫』(政岡憲三) a)『猿ヶ嶋』の物語のナンセンス(難船ス…

a)『十兵衛暗殺剣』(倉田準二)

アテネからアテネへ

a)『もうひとつのアフガニスタン カーブル日記1985年』(土本典昭) b)『在りし日のカーブル博物館1988年』(土本典昭) c)『みなまた日記―甦える魂を訪ねて―』(土本典昭) 『みなまた日記』の上映後(その後のトークショーとは別に)最後だから何か話した…

やっはり杉本美樹が好き

a)『回想・川本輝夫 ミナマタ―井戸を掘ったひと』(土本典昭) b)『0課の女 赤い手錠』(野田幸男)

映画への不実なる誘い

a)『國歌 君が代』『おい等のスキー』『おいらの野球』『かうもり』『猿正宗』『タヌ吉のお話』『驢馬』『狼は狼だ』『春』(村田安司) b)『水俣病―その30年―』(土本典昭) 蓮實重彦氏の新刊『映画への不実なる誘い』が発売された。早速、購入して読みはじ…

すべての革命はのるかそるかである

a)『ドリーマーズ』(ベルナルド・ベルトルッチ) a) 仏作って魂入れずのフヌケ映画。政治的にも映画的にも反動的というか、それですらない。火炎瓶を投げる描写ひとつとっても腰が座っていない。せめてこのシーンを撮る前にベルトルッチは『パルチザン前史…

誰が映画を畏れているか

a)『水俣一揆―一生を問う人々』(土本典昭) b)『不知火海』(土本典昭) 上映後、土本典昭、田原総一郎、森達也のトークショーがあった。田原総一郎をナマで観たのは初めてだったが、彼のトークは絶好調でテレビのまんまというか、抱腹絶倒の面白さだった。…

黄色い家の記憶

a)『水俣―患者さんとその世界』(土本典昭) b)『水俣レポート1 実録公調委』(土本典昭) c)『黄色い家の記憶』(ジョアン・セーザル・モンテイロ) d)『管理の終わり』(ジョアン・セーザル・モンテイロ) c)独身者の身体、それも五十過ぎの痩せぎすの男の…

タイトル勝ち

a)『ドキュメント路上』(土本典昭) b)『シベリア人の世界』(土本典昭)

海の花

a)『海の花』(ジョアン・セーザル・モンテイロ) a)二十世紀後半以後においてメロドラマは果して可能か。その問いに対して、ジョアン・セーザル・モンテイロはこの作品において、その可能性、あるいはほとんどそれと同義だが不可能性を、トッド・ヘインズや…

土本典昭を見てアラノヴィッチを思う

a)『ひろしまを見たひと―原爆の図丸木美術館―』『ビデオ絵本 ひろしまのピカ』(土本典昭) b)『よみがえれカレーズ』(土本典昭) c)『存亡の海、オホーツク−8mm旅日記 ロシア漁民世界をめぐる』(土本典昭)a) 前者の冒頭で、いきなりネーナの「ロックバル…

シャッター!

a)『暗殺指令シャッター』(マイケル・カレラス/モンテ・ヘルマン) 9月のBS2の放送予定を見てビビる。何と『ファントマ』(ルイ・フイヤード)を放送!輸入版DVD買わないでよかった(感涙)。次は『ジュデックス』と『吸血ギャング団』をぜひ!